30代が英国でデータサイエンスを学ぶ

特に説明はございません

留学記⑤ クラスメイト2

私の先入観・認識がいかに古く、間違っているかという話。


 学期が始まって2週間程度経過したころ、クラスメイトと食事をしたり、休み時間に雑談をしていると、皆いろいろなバックグラウンドから来ているのだと、改めて痛感した。
 
 この時期に一番驚いたことは、貫禄のある風貌をしたコンピュータサイエンスを学んだロシア人のクラスメイトのコーディング技術である。彼と始めて会ったのはプログラミングの最初の授業で、その時偶然私の隣に座ったので自己紹介や他愛無い会話をした。授業の課題や講義ノートは学内専用のポータルサイトにアップロードされているのだが、彼は事前にそのポータルサイトに登録していなかったので、私の下手な英語で説明しながら登録の手伝いをした。無論、彼は課題に目を通していなかったのだが、アップロードされた問題を見た後に、ほんの僅かな時間でそれを理解しコーディングを終えてしまった時には驚愕した。学生時代に私は(決して上手とは言えないが、(むしろ下手と言う方が適切であるが))C++という言語で朝から晩までコードを書いていたので、その課題がどの程度の難易度なのかもわかっている(つもりである)。あの速さでは処理するには、それなりの力量が必要だろう。なにせ、2時間のワークショップで、終わらない人間も居る中で、彼はほぼ時間を使わずに終えてしまったのだから。
 これは勝てないな・・・と思った。もしかしたらTop Coderとかで戦っていけるんじゃなかろうか、とも思ったが、あまりそういうことには興味はなさそうだった。
 スポーツでも他の分野でも、基本がしっかりと身体・脳に染み込むまで訓練されている人は、素人や少しかじった程度の人間とはパフォーマンスが大きく異なる。素人であれば、どのような対処方法が候補として考えられるかというところから手をつけなければならないが、ハイレベルな人の場合いくつもの選択肢が頭の中にインプットされていて瞬時に最適と思われる手法を選択し、そこで問題があればすぐに別の手法を組み合わせて目的を達成する。彼からはそういったものを感じた。そして、そのような武器が何も無い自分が恥ずかしい、とも思った。せめて、この1年で何か武器になるものを得られないだろうか。

 そんなこともあったりして、新鮮な日々を送っていたが、先日(といってもブログを書いている日から計算すると遥か昔であるが)、同じ授業をとっている中国人クラスメイトと話をして私の先入観が崩れたので、他の中国人クラスメイトの何人かと話をしてみた。やはり、一人の意見だけでその集団の多数派がそうだと決めることはできないという、至極当然の結果になったが、各人がそれぞれの考え方を持っており、とてもいい勉強になった。
 特に印象深かったのは、学士も修士も博士もイギリスで取るがいつか必ず中国に帰ると熱く語ってくれたクラスメイト。最終的な目標としては中国で研究をしたいが、そのためには何かしらの武器が必要で、イギリスでの学位と研究成果を引っ提げて、それなりのポストに就きたいということだった。多くの国でそうなのだろうが、強力な武器が無ければ研究者としてちゃんと相手にしてもらえないほど競争が熾烈なのだろう。いつ何をしてどういうものを目指していくか、既に彼の中には具体的なプランがあった。
 ただ、それらをもの凄い早さの英語で説明してくれたので、語学力の差にも圧倒されてしまったし、当然ながら何度も聞き返してしまった。やはり学部から英語圏にいると、英語が上手になるのだろうか。この歳になってからだと語学は少しキツいかな、なんて思っていたのだが、彼らと伍していかないといけない訳だから、頑張らないと。もちろん、分野は全然違うのだけれども。